ヒカゲノトキ

2016年02月05日 00:45

もう五年も前の話になるのですが・・・

ProjectMolla樣 ヒカゲノトキ は、背中に翼を持つ種族を中心に世界を巡る・・・そんなお話になるようでした。

ですが、色々な事情や諸々のもつれが起こり、結果として制作は中止になってしまいます。

先日、ホームページを公開するにあたって、お蔵入りになっていた曲の一部をクロスフェードにして公開したのです。いえ、したくてホームページを拵えた意味合いが強いですね・・・。それくらいに、少なくともわたしは思い入れていた作品だったのですが・・・。

そもそもの原因は「発起人の見切り発車」なようでした。

プロジェクトが始動した2011年1月5日、およそ半年分のスケジュール表が配られたのです。その二週間ほど後にあたる1月22日に届いたメールの文面を要約すると・・・

シナリオやキャラクター設定等の見直しに時間を要するため、一月ずつずらして作業を開始したいと思います。

開始2週間ちょっとで作業が遅延するとはどういうことなのでしょう・・・。ここから、このプロジェクトはどんどん遅れていくのです。

メールを読み直す限り、設定の練り直しに使われた時間がスケジュール遅延の大半を引き起こしていたみたいで・・・。

例えば、背中に翼を持つ種族の事を当初「翼人(ヨクビト)」と呼んでいたのですが、発起人さんの居住地域と、そうではない居住地域のスタッフ同士が「音読みと訓読みの呼び方の違いで」大もめ。方言やイントネーションが互いの常識と衝突してしまったのですね。最後にはスタッフ全員に意見を求めるメールが・・・最終的に「ツバサビト」へと変更されたこともありました。

そういう設定の練り直しを行っている間、ほかのスタッフさんはというと・・・、もともと二、三ヶ月に一曲という変わった作業タイミングだったBGM担当は、さらに待たされることになるのです。・・・今になって思えば、これを不安要素として感じ取るべき出来事だったのですけどね・・・。

世界観が広大な冒険物で、結構気に入っていたビジュアルが多かったのです。

世界観のパーツだけを一部あげれば「魔法都市」「忘れられた廃村」「風車の見える山間の町」・・・あとちょっとかわった注文として「ケルト音楽」を書いて欲しいと頼まれたこともあったりして。いろいろな曲調に対応するための柔軟性を経験することが出来た場所でありました。

とはいったものの、好きとスケジュール遅延は別物で・・・

途中で一度「作業期間が長期間になってしまったので、継続して参加してくれるかどうか今一度判断してほしい」と確認されたことがありましたから、てっきり作品を完成させる意欲があったのかと思いきや・・・

プロジェクト開始から二年後の夏を前にして、一応は欠かさなかった二週間に一度の定期連絡も数ヶ月にわたってこなくなり、発起人さんが制作意欲を喪失されてしまった様子・・・。

これはもう見限るべき・・・とわたしの方から三行半をつきつけて終わりを迎えたプロジェクトでありました。(幸い、プロジェクト離脱を意思表示した時には既にプロジェクト中断の方向で固まっていました)

公式ページは消失して、作品としてのカタチも残りません。わたしが作った曲はもちろん、スタッフ全員の努力の結果が行き場を失ってしまいます。

創作者を集って何かを作り始める人には・・・きちんと完成への道筋を見極めていただきたいですね。

そして、それに参加すると自ら決意したからには、きちんとやり遂げたいと思うのです・・・。